医療安全を重要視するようになったわけ

2017.05.25 Thursday

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    みなさま、こんにちは!
    長野市高田「みやじま内科クリニック」院長の宮島です。
     
    当院では医療安全に力を入れています。
     
    具体的には、
    (1)期限切れの薬品などは院内置かない、点検責任者を置いて常に点検
    (2)使い捨ての物品があるものは全て使い捨てを採用する
    (3)間違った処方薬を渡さない
    の3つです(いまのところ思いつくのは)。
     
    これが「ウリ」(と同時に危機回避)になると思ったのにはきっかけがあります。
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    前職(県外)での経験ですが、こんなことがありました。
     
    看護師さん募集の際に面接していた時のことです。
    同じ医療機関に勤務中の看護師さんが同時に複数名応募してきたことがありました。もちろん各々は同僚が応募していることは知りません。
    うち一人は次の職場は決まっていないけど辞職することま決めているとまで言います。
     
    何か理由があるだろうと重い口をほぐしながら聞いてみると…、

    今の勤め先では、期限切れの薬品やカビの生えた器具を使っている、また使いまわしの器具の消毒も不十分で使っていると。
    院長に再考を促しても「いいから、使ってしまえ、コストも馬鹿にならないんだ」と言って理解してもらえない、良心の呵責に耐えかねて辞職を決意した、とのこと(複数名の話をまとめると)。
     
    言われてみれば10年前まで胃カメラは手洗いが主流で、専用の洗浄機に入れるのは一日の終わりに。現在では一例ごとに専用の洗浄機にかけるのが過半数だと思いますが、10年前の常識でやっているところも中にはあるんだろうなぁ、と。
    舌圧子だって鉄製を毎日手洗いしているところもまだまだあるだろうし。
     
    でも、期限切れとかカビはいくらなんでもひどいよなー、
    そんな医療機関があるんだー、とびっくりしましたが、同時にこのことが一般人に漏れたらその医療機関は生死に関わるな、とも思いました。
     
    そんなことから、たとえコストが掛かってもいい、正直に清潔にやろうと決めて徹底しました。

    有効期限のあるものは二重三重に確認作業をしています。
    使い捨て製品が存在するものは全て使い捨てです。舌圧子も生検鉗子も。
    胃カメラも必ず専用洗浄機で洗浄消毒したものを使います。
    検査時のエプロンも手袋も一例ごとに使い捨てです。
     
    清潔さ(医療行為による感染予防)には自信を持っています。
    自分の子供の予防接種や検査(胃カメラ)も自院で安心して行っています。
     
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    また、別の話。

     

    これも前職(他県)の話ですが、風邪の患者さんが「他院で処方された風邪薬を飲むと腹が張って苦しい」と言って当直帯に駆け込んできました。しかも腹が張り過ぎて腸閉塞の一歩手前の状態になっています。
    処方薬を見ると…抗生剤と称して手渡されていたのは強力な下痢止め(ロペミン)。この2つは外見が似ています。
    その医療機関は院内処方でしたので、たぶん事務員さんか看護師さんが処方薬を間違えて袋詰めして手渡してしまったのでしょう。
     
    同じように、抗生剤(ケフラール)と称して胃薬(セルベックス)だったこともあります。健康被害はなさそうですが、感染症は治らなそうです。
     
    また、こんなこともありました。
    ある患者さんが北海道から東京まで来て緊急入院してきたのですが、原因が併用してはいけない薬を併用したことによる副作用だったのです(院内処方)。
    この時は処方したクリニックの院長が北海道から来院して入院費を全額支払っていきました。
     
    当院は5年以上前は院内処方でしたが、その当時は「30日分のはずなのに20日分しか入っていない」「5種類のはずなのに4種類しかない」などの苦情を受けたことは複数回あります。当院のミスか患者さんが失くしたのかは確かめようがなくて分かりませんので言うがままに足りない分をお渡ししていました。
    事件になるような重大事態は生じなかったのですが、もし健康被害が出たら大変な話でした。
     
    そんなわけで院外処方の導入を決心しました。
     
    当院のお隣の薬局では、処方薬を2名で確認して薬剤師が手渡す、一日の終わりに局内の全残薬を確認してコンピューターに登録された残数と数合わせするなどを行って、処方間違いの予防や早期発見に努めているそうです。
    また、他院との処方薬で併用禁忌がある、緑内障だから薬を変更したほうがいい、残薬が合わないので確認したら飲みすぎていることが判明した、など処方ミスや知らなかったことを発見してもらっています。
     
    院内処方の当時はとてもじゃないがそんなことは全ては無理でしたので、患者さんの安全のために院外処方にして良かったと思っています。
     
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    また別の話。
    職員の安全も大切です。
    当院では、針刺し防止機能付き翼状針を全例に使用する、ディスポ手袋の仕様を積極的に推奨するなどの数々の安全対策も行っています。間接的ながら患者さんへの医療安全に役立っていると思っています。
    今回も長々と四方山話に近い話をお読みいただき、ありがとうございました。