インフルエンザ予防接種は効いているのか?

2016.03.21 Monday

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    みなさまこんにちは!
    長野市みやじま内科クリニック院長の宮島浩人です。

    今年はインフルエンザの本格流行開始が1月下旬からと例年より1ヶ月半ほど遅く、なおかつA型B型同時流行で患者数も多く、さらには3月下旬の現在でもまだコンスタントに発症が見られるなど、例年と異なるパターンで推移しています。

    さて、外来でインフルエンザにかかった患者さんによく聞かれるセリフ、「予防接種打ったのに…」。
    これに対して我々は、「予防接種打っても罹ることもあります。でも罹る可能性は減ったはずだし重症化も防げたはずですよ」と慰めます。

    でも本当に予防接種は打った方が得なんでしょうか?

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    この問いに答えるために、我々のクリニックでは今シーズン、インフルエンザと診断した患者さんに予防接種を打ったか打たなかったか確認して、その重症度と発熱の程度の関係を調べています。

    日本におけるインフルエンザワクチンの出荷量は3000万本。1本が1人用の場合も2人用の場合もありますし、未使用のまま破棄される製剤もあるでしょうから正確ではありませんが、およそ国民の3人に一人が接種していると仮定します。
    すると、予防接種の効果が全くなければ発症者数は未接種群:接種群=2:1、発症者の重症度も同程度、となるはずです。

    さて、まだシーズン中なので最終的な結果は出ていませんが、だいたいの印象は固まってきました。

    まずは、発症者は予防接種打ってない人がやはり圧倒的に多いです。2:1どころではなく5:1ぐらいの印象。つまり発症率は未接種者で2倍の印象です。これは、接種者と未接種者を同じ人数だけ集めて同じぐらいインフルエンザウイルスに暴露した場合に、未接種者の発症率が接種者に比べて2倍になるということです(まだ「印象」の段階です)。

    さらには重症度。これは圧倒的に未接種者が重いです。来院した瞬間に重症っぽく見える人(高熱と倦怠感で椅子に座っていられない、または「考える人」ポーズで支え無しでは起坐位を保てない人、肩でふーふー息して苦悶様の表情の人、等)は未接種者が4人に一人、接種者は15〜20人に一人という印象です。
    ご高齢者はインフルエンザ感染を契機に急性肺炎になる人も見られるのですが、当院ではインフルエンザ後に肺炎になった人は3人、全員が未接種者でした。

    まあまだ途中経過ですので、統計学的処理を終えましたら再度ご報告いたします。

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    ところで我々のクリニックでは職員全員がインフルエンザ予防接種を2回打っております。このお蔭か、ここ数ヶ月で約400人のインフルエンザ確定患者さんと接触しましたが誰もインフルエンザに罹ることなく過ごしています。

    特に一人医師の診療所の院長である自分は「自分が休むと診療所の全ての仕事がストップする」という特殊な立場です。インフルエンザ感染は何としても避けなければなりませんので、予防接種はもっと複数回接種しています。お蔭か、ここ10年ぐらい罹っていません。

    少なくとも、「インフルエンザワクチンに数千円分に見合う効果はある」というのが今のところの自分の感想です。
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